日給1万3000円…解体業で注目を集める「1日眺めるだけ」の仕事とは
キャリア
定年後の生活に、不安を感じる人は少なくありません。年金だけでやっていけるのか、60代からでも働ける仕事はあるのか――そんな問いに対し、「解体現場でただ巡回するだけ」という、一風変わった仕事が静かに注目を集めています。
この仕事に挑戦したのは、63歳の男性。特別な資格もなく、体力にも自信があるわけではありません。それでも紹介されたのが、解体工事の現場を定期的に回り、状況を確認する“パトロール役”でした。重い資材を運んだり、危険な作業をする必要はありません。基本的には現場を見て回り、書類を確認し、担当者をサポートするのが主な役割です。
背景にあるのは、解体業界が抱える人手不足と現場管理の重要性です。解体作業そのものは危険を伴い、若い世代の日本人が敬遠しがちな仕事でもあります。一方で、工事を安全かつ円滑に進めるためには、現場全体を把握し、コミュニケーションを取れる存在が欠かせません。そこで求められるのが、日本語でのやり取りができ、現場を冷静に見渡せる人材でした。
このパトロールの仕事では、1日に複数の現場を巡回します。作業員名簿の確認や、元請け・下請け間の連絡補助、車両や重機の誘導など、体への負担は比較的少なめです。作業員たちが黙々と働く様子を見守る時間も長く、「見ているだけでいいのか」と感じるほどの余裕がある場面もあります。それでも日給は約1万3000円。未経験・無資格でも得られる報酬としては、決して低くありません。
現場では、秩序や安全意識が何より重視されます。その象徴ともいえるのが、出発前の清掃作業です。役職に関係なく、全員で施設を清潔に保つ姿勢が徹底されており、仕事に対する真剣さが自然と伝わってきます。こうした文化が、現場全体の緊張感と信頼関係を支えているのです。
もちろん、誰にでも向いている仕事ではありません。現場の空気に馴染み、淡々とした作業を続けられること、責任感を持って行動できることが求められます。ただ、体力的な限界や年齢を理由に働く場を諦めていた人にとっては、新たな選択肢となり得るでしょう。
この記事で押さえておきたいポイントは、解体業界には「現場作業」だけでなく、巡回や管理といった裏方の役割が存在すること、そして60代以上でも未経験・無資格で日給1万3000円前後を得られる可能性がある点です。体を酷使せず、現場を支える仕事は、これからの時代にますます必要とされていくかもしれません。
